小さな星がほらひとつ

特上の恋をした話

僕は狼狽する。

 
ほんとうに、魅力的なあなた。
どれだけ綺麗な言葉を並べても、言葉にした瞬間に色褪せるほどに。
 
お酒の力を借りないと想いを伝えられない勇気のない僕に、自分が高く評価されてるのが恐いと言うあなた。
 
あの状況でその言葉が出ることさえも、魅力のひとつということにあなたは気づいてはいない。
 
そっと抱きしめて受け入れてあげればよかったのかな。
涙を流すあなたの側に、ただいるだけでよかったのかもしれない。
 
なにが最善かなんて、その時は考えることができない。
思考が停止する。
 
だって、こんなに一人の女性をありのまま尊敬したことはなく、こんなにもありのままのひとを愛しいと感じた経験はないから。
ここまで人を愛しいと思うことが、全てを捧げたいと思える人に出逢ったことが初めてだから。
 
その感情の渦の中では、相手がなにを求めているかなんて、打算的なことを考えることは出来ない。
 
僕はただただ、あなたに狼狽する。
 
溢れる想いはとめどなく、涙になって流れ出る。
 
決して付き合うという形が欲しいのではなく、結婚という形が欲しいのでもない。
そこにあるのは、愛しいあなたに良くなってほしいという願いのみ。
 
その願いを言葉にできずに、あなたに思うように伝えられない自分が悔しい。
こんなに、想っているのに、それをそのまま伝える手段を持たない僕は情けない。
 
心から溢れ出る想いを、言葉に出来ない愛情を伝えるためにSEXが存在するのであれば、僕はなんの疑いもなく、彼女を抱きたい。今すぐに。
下心は一切ない。
 
いま心から願うのは、この先どんな関係になろうとも、僕の人生で一番愛しいと思えるあなたが、どうかこの先もずっと幸せでありますように。
 
僕は狼狽する。
彼女の過去、現在、未来、その全てに。